2歳と言えば、活動範囲も広くなり、家族だけでなくお友達にも興味を示す時期です。

公園や支援センターなどで、同い年のお友達と遊ぶ機会も多くなってきますよね。

そんな時、ふと、お子さんの言葉の遅れが気になったことはありませんか?


例えば、

  • 同い年の子どもと比べて言葉数が少ない気がする
  • 以前から言葉数がなかなか増えない
  • 親にしか分からない言葉が多い
  • 言葉ではなく身振りや指差しで伝えることが多い
  • 単語は出るが2語文にならない
などなど…。


こんな風に言葉の遅れを感じると、ちょっと不安になってしまいますよね。

いけないとは思いつつ、ついつい周りの子どもと比べてしまったり、「もしかして発達障害?」なんて疑ってしまったり…。

でも実は、言葉の遅れは必ずしも障害があるというわけではありません

言葉の発達は特に個人差が大きく、同じ2歳児でも成長の度合いは全く違います。

では、2歳児の平均的な言葉の発達はどれくらいなのか?

障害以外で言葉が遅れる原因とは何なのか?

そんなあなたの疑問にお答えするべく、今回は2歳児の言葉の発達をより詳しく調べてみました

気になる発語の目安や、言葉の遅れの原因を中心にまとめてあります。

さらに、言葉のゆっくりなお子さんへの関わり方もご紹介していますよ♪

さっそく一緒に見ていきましょう!



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言葉の発達の目安とは?


そもそも、2歳の子どもはどれくらいおしゃべりができるのでしょうか?

初めての子育てだと、なかなか見当がつきませんよね。

そこでまずは、2歳児の言葉の発達の目安を詳しく見ていきたいと思います。

お子さんの様子を思い返しながら読んでみてくださいね。


言葉の数


2歳の子どもが話す言葉の数は、おおよそ300語程度

同じ2歳児でも、月齢を重ねるごとに言葉は増えていき、3歳目前の子供は800語程度話せるようになります。

具体的には、こんな言葉が話せます。
  • 身近な大人の通称…おかあさん(ママ)・おとうさん(パパ)・じいじ・ばぁば先生…など
  • お友達の名前…○○ちゃん、○○くん。まだたくさんは覚えられませんが、5〜6人程度言えるようになります。
  • キャラクター名…よく見るテレビのキャラクターを覚えて言えるようになります。
  • 体の部位…目・耳・鼻・口など。「ここはどこ?」と体の部位を指差して尋ねると答えられるようになります。
  • 気持ちを表す言葉…イヤ・こわい・さむい・あつい・おいしいなど。その時感じたことを簡単な言葉で表現できるようになります。



話せる文章


2歳頃になると、単語だけでなく、2語文も話せるようになってきます。 

2語文とは、2つの単語で構成される文のこと。

具体例としては、
  • 「りんご / たべる」
  • 「ボール / とって」
  • 「ごはん / つくったよ」
  • 「わんわん / いたよ」
などです。


2語文を使って、自分の欲求を伝えたり、見たもの、作ったものを教えることができるようになっていきます。

また、大人からの「○○したい?」「○○食べる?」などの問いかけにも、2語文で答えられるようになります。

これが、2歳児の言葉の発達の目安です。

こうしてみると、2歳でも話せる言葉はけっこうたくさんあるんだなぁと驚かされますね(;゚Д゚)!


「いやいや!うちの子も2歳だけどこんなにおしゃべりできません!!」

なんて、少し焦ってしまう人もいるのではないでしょうか?

でも、心配する必要は全くありませんよ!

これは、あくまでも目安であり、必ずしもこの通りに発達していなければいけないということはありません。

言葉の発達は個人差が大きく、目安よりもはるかに多くの言葉を話せるお子さんもいれば、もっとゆっくりなペースで発達するお子さんもいます

全ての子どもが足並みをそろえて同じ発達をすることはありえませんので、あくまでも、ひとつの目安として考えることが大切ですよ。

とは言え、言葉の発達が遅いと、その原因が気になりますよね。

それでは次の章で、言葉の遅れの原因を見ていきましょう!


2歳児の言葉

言葉の遅れの原因とは?


言葉の発達が遅いと、真っ先に思い浮かぶのが「発達障害」ではないでしょうか。

確かに、言葉が遅い原因のひとつとして、自閉症などの発達障害も否定できません。

言葉の遅れに加えて、目が合わない・こだわりが極端に強いなどの様子が見られれば、念のため医療機関に相談するのもひとつの手段です。

しかし一方で、発達障害がなくても言葉が遅れるケースはたくさんあります。

一体どんな原因があるのか、詳しくまとめたので見ていきましょう!


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個人差・性格


言葉が遅い原因として、実はこれが1番多いケースです。

赤ちゃんが寝返りやハイハイをする時期に個人差があるのと同様、言葉が遅いのも単純にその子の個性という場合がよくあります。

特に、性格的に恥ずかしがり屋なお子さんの場合は、本来おしゃべりができるのに人前では喋りたがらないということも。

このように、発語には個々の性格が大きく影響しています。


言葉を貯めている


言葉が遅かった子どもが、ある日を堺に突然スラスラと話し始めた、というエピソードをよく耳にします。

これは、言葉を覚える(インプット)は得意だけれど、話す(アウトプット)は苦手、というお子さんによくある現象です。

言葉を声に出して話さないだけで、実は頭の中に言葉の引き出しがたくさんあり、その子が「話したい」と思ったタイミングで引き出されるので、気長に待ってあげることが大切です。


耳の聴こえが悪い


言葉を発するのには、まず、言葉を聴いて覚える必要があります。

そのため、耳の聴こえが悪く、言葉をうまく聴き取ることができていないと当然発語も遅れます。

耳の聴こえが悪いというと、聴力の問題だと思われがちですが、実は見落とされやすいのが「中耳炎」。

赤ちゃん〜幼児は、風邪をひくと中耳炎も併発しやすく、中には慢性的な中耳炎になってしまっているお子さんもいます。

耳なので、目に見える症状が無いことも多く、知らず知らずのうちに聴こえが悪い状態を放置しているかもしれません。

言葉が遅れている場合には、聴力だけでなく中耳炎を起こしていないか診てもらうと良いでしょう。


舌の構造の問題


口を開け、舌を上に持ち上げると、舌と下顎の粘膜をつなぐヒダが見えます。

これは誰にでもある「舌小帯」と呼ばれるものなのですが、舌小帯が舌の先の方までくっついているとうまく発語ができない原因となります。

言葉が遅れている場合には、このように舌の構造に問題がある可能性もあります。

舌を前に突き出して正面から見た時、舌がくびれてハート型になっていると舌小帯の異常が考えられますが、これは素人では判断が難しいです。

気になる場合には小児歯科、小児口腔外科で相談すると良いでしょう。


メディアによるコミュニケーション能力の低下


忙しい時、ついついテレビやスマートフォンにお子守りをさせてしまうことはないでしょうか。

もちろん、適度にテレビなどを見せることは問題ありません。

しかし、長時間に渡ってテレビやスマートフォンなどのメディアを見せていると、子供のコミュニケーション能力の低下を招いてしまうことがあります。

メディアの情報は一方通行で、黙って見ているだけで情報が入ってくるため、会話を楽しんだり、自分の気持ちを伝えたいという意欲が湧かなくなってしまうのです

テレビやスマートフォン、ゲームなど、メディアに触れる時間を見直してみることも大切です。


子供の発語

このように、言葉が遅い原因は様々です。

色々な可能性が考えられますが、日頃の生活の中で、こちらの言っていることや指示が通るのであれば、単純に個性や、タイミングの問題であることが多いです。

「○○持ってきて」「○○して」と言った指示に反応できているかどうか確認してみましょう。

但し、舌の構造や耳の問題に関しては自己判断が難しいので、「もしかして?」と気になることがあれば、念のために病院を受診するようにしてくださいね。


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言葉が遅い子どもへの関わり方


言葉が遅れる原因を詳しく見てきましたが、実は、言葉の発達は子供自身だけの問題ではありません。

親や、周囲の人の関わり方も大きく影響しているんです!

大人がどんな言葉をかけるか、どんな接し方をするかが、まさに言葉の発達を促すキーポイント!

というわけで、最後に、言葉がゆっくりなお子さんへの、ベストな関わり方をご紹介していきたいと思います。

さっそくチェックしていきましょう♪


「語りかけ」を意識する


朝起きた時、おむつを替える時、手を洗う時、遊ぶ時…。

ひとつひとつの行動をする度に、逐一語りかけるよう心がけましょう。

難しいことではありません。

例えば、
手を洗うときには「手を洗おうね。」
ご飯の時間には「おなかすいたね。」「ご飯食べようね。」「おいしいね。」


こんな風に、難しく考えず、ありのままを、優しく語りかけてあげます。

子供から反応が返ってこなくても問題ありません。

日頃から語りかけを行うことで、『手を洗うってこういうことなんだ』『食べるってこういうことか』、など、子どもの中で言葉と行動が繋がっていき、発語へとつながります。

また、常に語りかけてもらうことで愛情を感じ、心がリラックスして自然と言葉が出やすくなるでしょう。

単語がなかなか増えないお子さんはもちろん、言葉が文にならないお子さんにも有効な関わり方です。


子供と同じ言葉遣いで話す


言葉を話すには、まず言葉を覚えることが大切です。

そのため、子供が聴いて覚えやすいように、子供と同じ言葉遣いで話すよう意識しましょう。

例えば、
  • 「犬がいたね」→「わんわんいたね」
  • 「寝ましょうね」→「ねんねしようね」

こんな風に、子供にとって分かりやすい言葉に置き換えてあげます。

赤ちゃん言葉には抵抗がある、という人もいますが、まだ言葉が出ない段階では、正しい言い方を教えることより、子供に馴染みのある言葉遣いで話すことを優先しましょう。


子供の話に耳を傾ける


まだはっきりと話すことができなくても、子供が何か伝えようとしているときにはしっかりと耳を傾けてあげましょう。

目を見て頷いて、「ママは聞いているよ」ということを態度で示してあげてください。

こうすることで、子供の中に『もっと聞いてもらいたい』『もっと話したい』という気持ちが芽生えます。

さらに、『ちゃんと聞いてもらえた』という安心感を得ることで、話すことに積極的になれます。 




子供の気持ちを代弁する


子供が身振りで何かを伝えようとしている時や、何かを訴えて泣いている時などに子供の気持ちを代弁してあげましょう。

「悲しかったよね」「イヤだよね」こんな風に代弁することで、子供自身が、『この気持ちが悲しいんだ』『これがイヤってことなんだ』と気づくことができます。

やがて、自分で「悲しいよ」「イヤだよ」と言葉にできるようになります。

このような代弁は、言葉より身振り手振りが多いお子さんに特に有効です。

但し、代弁も過度にやり過ぎてはいけません。

なんでも先回りして代弁してしまうと、自分で話す必要が無くなってしまうからです。

子供が既に知っている言葉や言えそうな言葉は代弁せずに、見守るのが大切です。


友達と遊ばせる


同年代の友達と遊ばせるのも良い刺激となります。

親と遊ぶのとは違い、おもちゃの取り合いになったり、思い通りにいかない経験をするはずです。

その中で、『貸して』『ちょうだい』『やめて』『じゅんばん』など、様々な言葉を覚えて発するようになります。

言葉が遅れていると、比べられるのが嫌だから、とか、自分自身が落ち込むから等の理由でお友達と遊ばせるのを避けてしまう人もいます。

でもそれは、言葉の発達には逆効果

言葉がゆっくりでも恥ずかしいことはありません。

たくさん友達と遊ぶ機会を作ってあげましょう。 




放置しない


先ほども、メディアによる悪影響をお話しましたが、やはり、できるだけテレビやスマートフォンに頼らず、お子さんと関わる時間を多く取りましょう。

大人しくしているからといって放置せず、積極的に言葉をかけてあげてください。

毎日必ず読み聞かせの時間を作ったり、歌や触れ合い遊びを楽しむのもおすすめです。

こうした関わり方をすることで、お子さんの言葉の発達を上手に手助けしてあげることができます。

ぜひ今日から実践してみてくださいね!


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まとめ


いかがでしたか?

2歳児の言葉の発達を詳しくまとめてきましたが、参考にしていただけたでしょうか。

子供の成長の中でも、言葉の発達は特に個人差が大きいもの。

周りの友達や目安の発達と比べて遅れていても、焦る必要はありません。

言葉が出ていなくても、こちらの言うことが理解できているようであれば、気長に待ってあげる姿勢が大切です。

まずはお子さんの普段の様子や性格をじっくり思い返し、お子さんに合った関わり方ができるよう心がけていってくださいね!