「細菌とウイルスって、違いがあるの?」


私は、呼び方や大きさが違うだけで、
基本的には、体を病気にする同じようなものと思っていました。


しかし、学校帰りの子どもに
「細菌とウイルスって何が違うの?」
と質問をされたのですが、答えられない…。

これは親としてキッチリ答えたいと思い、あわてて調べました(;´Д`)


調べて分かったのですが、じつは、細菌とウイルスは全く違うモノで、
そのあまりの違いに驚きました!


そこで今回は、細菌とウイルスの違いを、分かりやすくご紹介します!



ちなみに、なぜ、風邪に効く薬ができないのかも、
分かったので、併せて説明しますね。

では、さっそく細胞とウイルスの違いをみていきましょう!

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細胞とウイルスの違いとは?


細胞とウイルスの違いは色々ありますが、
分かりやすくする為に、代表的なものに絞ってご紹介しますね。


代表的な違いは、3つ!

  • 大きさ

  • 構造の特徴

  • 増殖方法

では、それぞれを詳しく見ていきましょう。


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大きさの違い


細菌とウイルスでは、大きさにかなりの違いがあり、
細菌の方が圧倒的に大きい


分かりやすく数字で表すと…
  • 細菌:1~5μm(マイクロメートル)

  • ウイルス20~300nm(ナノメートル)
になります。


ちなみに、μmは1mmの1000分の1の大きさで、
nmは、1mmの100万分の1の大きさです。


【1mm=1,000μm=1,000,000nm】になるのですが、
小さすぎて分かりませんね(^_^;)



分かりやすく例えると
  • 人間:地球
  • 細菌:ゾウ
  • ウイルス:ネズミ
くらいの大きさの違いになります。



ちなみに、細菌は顕微鏡で見れますが、
ウイルスは電子顕微鏡などの特別な顕微鏡でしか、
見れないくらいの小ささです。


ウイルスと細菌の違い

構造の特徴とは?


構造にも、それぞれ特徴的な違いがあります。

一言でいえば、
  • 細胞 = 生物

  • ウイルス = 非生物

どういう事かと言うと、細菌は、細胞を持っていて、単体でも条件が揃えば、
生きていけるので、分類上は「生物」になります。

一方、ウイルスの方は、細菌とは違い細胞を持っていないので、
単体では存在する事ができず、生物と分類できない「非生物」になるのです。



もう少し分かりやすく説明すると、
細菌は、まな板の上やトイレでも単体で生きていけます。

しかし、ウイルスは単体では、エネルギーを作れないので、
短時間で活動ができなくなり、死滅します。

ウイルスが存在するには、人間などの細胞に感染して、
エネルギーを得る必要があるのです!


ちなみに、ウイルスが付着した細胞を宿主細胞と呼びます。


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増殖方法の違いは?


増殖の方法も、それぞれに違いがあります。


細菌は、人間の体に入ると細胞に付着します。


付着した細菌は、細胞からガンガン栄養を奪うのです。

しかも、栄養を奪うだけでなく、奪った栄養の代わりに、
なんと毒を出して、付着した細胞をやっつけてますΣ(゚д゚lll)ガーン


恩をあだで返すとはこの事。

そして、栄養を吸収した細菌は、分裂を繰り返しながら増殖…。


増殖の速度は、細菌の種類にもよりますが、
一回の細胞分裂で、1つが2つになるだけなので、
大量に増殖するには、かなりの回数が必要になります。


しかし、自らが細胞分裂して増殖していくので、
温度や栄養などが増殖に適した環境ならば、
限界なく増え続ける恐ろしいモノです。


細菌とウイルスの違い

一方、ウイルスは、細胞がないので、単体では増殖できません


では、どのように増えていくかというと、
細胞に寄生したウイルスは、宿主細胞のエネルギーを使って、
どんどん自分のコピーを作って行きます。

しかも、そのコピーは、宿主細胞の中に増やしていき、
コピーでいっぱいになり宿主細胞が破裂すると、次の宿主に寄生(;´Д`)



分かりやすく言うと、

  1. ウイルスに寄生された細胞は、ウイルスの分身を作る工場になる

  2. 限界を超えて分身を作り続けて、とうとう治まりきれなくなり、工場が爆発

  3. 爆発と同時にウイルスが飛び散って、他の細胞を同じように分身を作る工場にする

  4. これを繰り返して、一気に増殖する



細菌と比べて増殖する速度は、圧倒的に早いですが、
ウイルスは単体では増殖ができないので、
宿主がなくなれば増殖が終わります。


こうして比べると細菌とウイルスは全然違いますが、
感染するとどうなるでしょうか?




細菌とウイルスの病気とは?


細菌とウイルスに、これだけの違いがあるので、
当然かかる病気も違います。


代表的な病気をまとめました。

  • 細菌
    • o-157
    • 結核
    • 中耳炎
    • 百日咳
    • 膀胱炎


  • ウイルス
    • インフルエンザ
    • 風疹
    • 日本脳炎
    • 手足口病
    • 感染性胃腸炎


ちなみに、肺炎や腹痛などは同じ病気でも、
細菌で感染したのか、ウイルスで感染したのかで、
症状に違いがでます。


例えば、肺炎には細菌性肺炎とウイルス性肺炎がありますが、
細菌性による肺炎の方が、ウイルス性に比べて症状が重いです。


また、ウイルスや細菌には、何十、何百と種類があるので、
一概に言えませんが、一般的には同じような病気にかかると、
細菌よりもウイルスが原因の方が軽いですね。



「という事は、ウイルスの方が安心!」
と言うとそうではなく、細菌よりもウイルスの方が、タチが悪いです(;´Д`)


タチの悪い理由は、細菌性の病気になると、
細菌の細胞を攻撃して、細菌をやっつける効果がある抗生物質が使われます。


しかし、細胞を持たないウイルスには、
この抗生物質が効きません




ちなみに、風邪の薬が効かないと言われるのは、
風邪のほとんどが、ウイルスが原因だからです。

当然、風邪ウイルスにも抗生物質は効きません。


じつは、風邪薬は風邪ウイルスをやっつけるよりも、
例えば、喉の痛み・発熱・咳などの症状を、
緩和するのが目的です。




ちなみに、抗生物質が効かないウイルスには、
抗ウイルス薬が使われます。


抗ウイルス薬は、ウイルスの活動を止める作用がありますが、
有効な抗ウイルス薬は、まだまだ少ないのが現状です。



まとめ


いかがでしたでしょうか。


大きさだけではなく、
さまざまな違いがありましたね。


細菌とウイルスどちらにしても、
感染したくないのは同じですね^^